次回まで:
- 各自ピックアップした2つの場所について、具体的な指標を決めて、計測などをおこないデータ採取をしておくこと。各自の場所比較指標についてはエスキース時に話し合った内容を基に。
- ビジュアライズのアイディアなども検討をすすめておくこと。
以下メモ(エスキース順):
- 公園の第一印象としての迷路感。それが変化していく。記憶、認識のある場所←→アイソレートされた場所。主要施設、印象に残る施設(ランドマークや公園設備も含めて)までの距離(一般的に多用されると観察できる公園内路を経由した)の合計を比較してみては?場所に立った際の、視野内の建物の割合など。公園内施設と場所が、記憶として結びつく要因となる公園の構造が抜き出せれば。
- 若葉が美しく、自然のみずみずしさ、公園内にある文化施設と直接関連がなくとも、知的な印象を受ける。植生の偏り、道の曲がり度合いなど、「違い」の要因となる色々な変数に気づき、見つけられたことは良い。歩行路面と植栽部分の高低差、最高部と歩道の距離の関係、築山の影響、など構造を少ない指標で定量的に測れるとよいかも。また2つのフレームの大きさを変えていることも面白い要素になりえそう。
- 独自に定義した「空間」という単位で、空中の3次元ポイントにある何らかのスカラー値を、グリッド状に計測しその微差をとらえてマップする。光を測る(あるいは光に相関する明るさなど)単位はあるものの(lm・s、lm、cd、cd/m2、lx、rlx、lm/W)、それぞれ何に使うかという目的のある単位であるから、今回の指標にフィットするかどうかはわからない。露出計のようなもので、計測の方法やルールを作ってそのルールに従って2つの場所を計測してみる、という感じ?計測時の誤差やノイズは、計測回数で馴らす?そこまで微差がとれるか。
- 木に囲まれた歩道の比較。アイレベルでの水平断面をあるい程度詳細に記述してみる。断面群の密度や断面同士の距離関係をネットワークのように表現してみると、2場所の違いが表現できるかもしれない。
- 上野動物園、入口と出口の違い。出入りという意味の違い、明るさの違い、人の声、カラスの鳴き声、など違いの因となる要素はたくさんありそうだが、すくない指標で一元的にはかれるのもひとつ目指したいところ。ピックアップした場所のフレームの外のことを計測・記述してみるのもありかもしれない。入り口として認識される最遠距離、出口として認識される最遠距離と方角などでみることはできないか。
- 似ている構造の場所(ブリッジの下)を選んでいるのは、むしろその違いを示すのに良い切り口といえそう。超ロング断面図をまず記述してみて、そこから距離、長さの比など、構造的な違いを拾えそう。
- 一本道の色彩の比較。通りの立面写真をうまく連続するように撮影し、それを短冊状に分割。分割範囲で印象のある(印象の強い?、選び方はある程度ルールを)色を抜き出し→代表色を決める。その代表色がどのように連続しているかを、2つの一本道の比較の指標とする。
- ベンチに座った目線での場所性。ベンチのリッチさを測れる?ベンチの幅でその前の空間の大きさ、対面の寿樹の見上げ高さ、角度、と直上の木の被覆感、などを定量的に測る。
- 中央の桜並木の両端を2箇所。路面と枝の張り出し度合いを細かく計測記述して、アーチ上の通過空間の構造を測れそう?2場所でありながら、グラデーションが予測される?
- 視野内の焦点のあっている部分とそうでない部分。あっていない部分の方がその場をうまくリフレクトしているのではないか(無意識的認識?)JR上野駅入口、京成駅入口。パノラマ写真において、アイレベルは認識がはっきりしていそうだから、その水平レベル付近を抜いたパノラマ写真を作ってみる。そこに占められている対象の割合などで、場所が映せるかも?
- 透明度、電話ボックス。都立美術館のエントランスから等距離の場所、平面形状が同じ(ミラー)を選び、そこから違いの指標を探す。公園利用者、芸大生にとって経験的に性質の差が鮮明なので、視点を変えて、時代的にも特殊な位置づけとなってきた電話ボックスを指標作りのヒントにしてみては?
- JR上野駅公園口、動物園入口前、待合、子供の割合、場で起こるイベントによって場所をはかり、比較。JR口と動物園口の違いが大きいので、もうすこし小さい範囲の微差を測ってみては?待合せというイベントに特に絞ることでも、何か見出せるかも?
- 樹木が連続している空間、歩道空間だが性質が異なるように見える。人の通過行動の観察から、人工的に整備された路面からのそれて通る度合い、それる角度、歩道の方向と人の歩行方向との差、などで測れないか?公園の路面の構造と歩行イベントを合わせて視る。
- 桜通り、アジサイ遊歩道。植栽の演出されている両歩道の性質の違い。人のクラスター度(グループ化、団体傾向)で場所の違いをはかれないか。
- 公園への17箇所のエントランスから2箇所を選ぶ。公園内外をつなぐ地点を選んでいるのは面白いかもしれない。そのポイントを都市機能のノード(交通の結節点)として考えて、そのノードの持っている色々なポテンシャル(潜在力)を測れないだろうか?